2008年8月12日

論理は右手に

フレッド・ヴァルガス『論理は右手に』(創元推理文庫)読了。

だめだ、つまんない。『死者を起こせ』でもそうだったけど、三十すぎた歴史学者が少年のような口のきき方をするのにまず馴染めない。主役の面々がうじうじしすぎ。逆に脇役や端役は全然描ききれてない。

訳者あとがきによれば原題は邦題とはやや違うそうで、原題に込められた意味は丁寧に解説されているものの、ではなぜその原題を捨ててまで別の邦題をつけたのかは不明。

作品の出来についてはあまり触れられておらず、今後はE・D・ホックのようなシリーズ物にありがちなマンネリ気味の訳出が続くのではないかという予感がしてしまう。