正直言ってあんまり面白くない。解説で平岡篤頼氏は
小説『箱男』の構造がいかに画期的な新しさを秘めているかを解明するには、(中略)かなり抽象的かつ専門的な議論を展開しなければならないから、ここではひと先ず差控えるが、
と書いているが、そんなことしなきゃ楽しめないようじゃ名作とは言えないんじゃないか。
でも103頁の「そう、ラジオ。じつは以前、」から始まり106頁の終わりまで駆け上がってゆく一節、ここばっかりは感動して涙が出そうになった。この部分だけスパークして見える。
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