「猫の手」は結末もなかなかよかった。つづきを安直に箇条書き。
- 紀田順一郎「展覧会の客」
- 例によって例のごとく古書蒐集家の話。
- 仲英宏「「直木賞」への訣別」
- ミステリの読まれ方についての問題提起ないし提言らしいのだが論点が散漫でよくわからない。
- 河田陸村「世代交代の始まったミステリー界」
- 「SRの会」が選ぶ年間ベスト10の直近10年間の推移を分析した論考。分析結果のひとつとして「大手出版社の出す文庫・ノベルスは読者から見放されつつある」→「これは粗製濫造によるところが大きい」というものがあり、最後は
――とここまで書いたら、陰の声が教えてくれた。「東京創元社も国内ミステリーを文庫で出すらしいぞ」と。
と締めくくられている。まるで17年後の今日を予見していたかのような言葉だと思う。
えー、それ本当? でも、○○文庫や××ノベルズみたいな本は、まさか出さないでしょうね、東京創元社さん。 - 逢坂剛「ミステリーと映画の話」
- 新潮文庫の100冊っていうか……
- 有栖川有栖「登竜門が多すぎる」
- 駄洒落はおもしろいんだけど最後のひねりがあまりよく効いてない。
- 澤木喬「鳴神」
- 今これ読み中。昔読んだ『いざ言問わむ都鳥』はほとんど印象に残ってなかったりするんだけど、これは素晴らしい。この一作だけでもこの本買った甲斐があった。まるで小川国夫か丸山健二の小説を読んでるかのようである。ミステリとしてどうなのかはまだ未知数。残りが楽しみ。