2008年7月20日

山口雅也アンソロジー・その他

冒頭の「道化の町」を除いて収録順に。

坂口安吾「ああ無情」
かなり退屈w
星新一「足あとのなぞ」
星新一で一人称とは意外な気がした。
P・D・ジェイムズ「大叔母さんの蠅取り紙」
70年も前の、しかも無罪判決の出た事件を推理する。タイムリミットが課せられてるとか、もうちょっとのっぴきならなさが欲しかった。
アーサー・ポージス「イギリス寒村の謎」
クイーンのパロディ。真相も馬鹿々々しくて笑えるが、翻訳に一部テキトーな箇所あり。
高信太郎「Zの悲劇」「僧正殺人事件」「グリーン殺人事件」
漫画。「Zの悲劇」のオチは素晴らしい。
山上たつひこ「〆切りだからミステリーでも勉強しよう」
漫画。つまんない。
フランク・R・ストックトン「女か虎か」
有名だけど初読。無駄がなくて文句なしの逸品。
フランク・R・ストックトン「三日月刀の促進士」
「女か虎か」に比べると冗長なのは否めないが、映像で見るならこっちのほうが絢爛でいいかもw
クリーヴランド・モフェット「謎のカード」
読者に投げかけられる謎の切れ味が物足りない。ストックトンとは謎の質がちがうと思う。
エドワード・D・ホック「謎のカード事件」
上記モフェット作品に合理的な解答を与えるべく書かれたもの。ちょっと長くなるので別エントリで。
ハル・エルスン「最後の答」
これも謎の投げかけ方があんまり好きになれない。
乾敦「ファレサイ島の奇跡」
島田荘司ですな。
宮原龍雄「新納の棺」
ちまちました時刻表ものかと油断して打ちのめされる。後説で編者は「一見派手なトリックAに目がいくが、実はトリックBが素晴らしい」という意味のことを書いているが、そうなのかな、ミステリ好きなら誰もがトリックBに感心するんじゃないだろうか。というかトリックAはトリックとも思えない。ともあれこんな作品を採録してくれた編者には感謝。
スティーヴン・バー「最後で最高の密室」
構成が中途半端。
土屋隆夫「密室学入門 最後の密室」
まさかのオチ。素晴らしい。
アイザック・アシモフ「真鍮色の密室」
密室からの脱出方法を探りあてる話。タイムリミットあり。でもそれはさほど重要視されてないのでスリルは乏しい。
J・G・バラード「マイナス 1」
精神病院を一種の密室に見立てた作品。訳がなんとなく読みづらく感じた。